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100年後


やさしさを残してクリスマスは終わってしまった。
今年、引越しの際に折口信夫の『古代研究』とコメニウスの『世界図絵』を売ってしまったのは少し後悔している。特別に高価な本でもないのだけど、一度売った本を再度買うのはどうも躊躇われる。

やさしさを残してクリスマスは終わってしまった。
サンタクロースは本を持って来なかった。かつてサンタが『世界図絵』を子供にプレゼントしたことはあっただろうか。多分あるだろう。世界最初の子供向け絵本とされているのだから。
『古代研究』は、ないか。
そういえば、サンタクロースというのも一種のマレビトになるのだろうか。

やさしさを残してクリスマスは終わってしまった。
あれは小学生の何年生だったか忘れたけれど、とある年のクリスマスの朝。
少年の俺は失意の底にいた。枕元にサンタのプレゼントがないのだった。毎年当たり前のように置かれているはずのプレゼントがないのだ。少年は呆然としていた。素晴らしき当然の世界は当然ではなくなった。悪しき方へと転変してしまった。そのように感じ取ったかもしれない。
すると、母親はそんな俺を見て、急に「ベッドの下の掃除をしなさい」という。
いやいや掃除なんかしてる場合じゃないよ、と思いつつもそうしたらどうだろう、以前から欲しがっていたガンダムのプラモデルがベッドの下に落ちていた。寝相が悪い俺は寝てる間にガンダムをベッドから落としてしまっていたのだった。
その時かもしれない。サンタという存在のメカニズムを掴みかけたのは。
このささいな朝の事を思い出すたびに、俺は胸をしめつけられるような気分になる。
この世界のなにかが暴露されたとしても、やさしさはひとつも失われなかった。


彼はたったひとつの場所に
無事にたった
折れかかった支柱の橋を
無事わたったかのように伝えている嘘にきっと気づかず
与えられてる嘘にきっと気づかずか



やさしさを残してクリスマスは終わってしまった。



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2016/12/26 03:05 |雑記COMMENT(4)TRACKBACK(0)  

コメント

ピポさんおはようございます^ ^
我が書店では折口しのぶの思想とはどのようなものだったのかを解析した本木村純二の新刊文庫「再発見日本の哲学」が売れ行き好調でございます!^ ^
ピポさんも是非!
それから、わたし少しブログを休もうかと考えてます。
ハローバイバイ関も先日やりすぎ内で言ってました。
そろそろ人選ぶるいが始まる、スマホから距離をおきなさいと笑
笑ではなくマジめにわたしも人格をあげていかなければ
ブログが悪いのではなく自分の魂のレベルをあげるため

ピポさんの記事は書店員としてとても参考になるので
ピポさんが頑張って書いてくださってるうちは読みにきますね〜

今年も一年ありがとうございました😊

No:452 2016/12/29 08:23 | ちさ #- URL [ 編集 ]

>ちささん
こんばんは。
折口信夫に関する本が売れ行き好調というのは、少し驚きです。
喜ばしいことですね!

ブログを休まれるんですか。
やはり残念ですが、再開される日を待ちたいと思います。
という私もずいぶんと更新頻度が減っていますが(笑)

こちらこそ今年も一年ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

No:453 2016/12/30 23:28 | pipopan #- URL編集 ]

あれましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。
今年も面白いお話楽しみに待っています☆

No:454 2017/01/01 23:19 | 桃 雄子 #- URL [ 編集 ]

>桃 雄子さん
明けましておめでとうございます。
笑えるような良い出来事が多い年にしたいですね。

今年もよろしく!

No:455 2017/01/02 00:45 | pipopan #- URL編集 ]

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